デイサービスの仕事はブランク看護師でも大丈夫って本当?
ブランクがあるからデイサービスの仕事ができるか不安
ブランク看護師だけど、デイサービスで働いてみたい!
ブランク看護師のおすすめ復職先の1つに、デイサービスがよく言われます。理由は、難しい看護技術がいらない、時間がゆったりしていて日勤だけなので体が楽、といったことが多いですね。
私は7年のブランクを経て病棟に復職し3年経ちます。先日初めてデイサービスのバイトをいくつかしました。そこでの経験で「デイサービスの仕事は実務経験が少ないブランク看護師には向いていないんじゃないかなあ?」と感じることが多々ありました。
この記事では、デイサービスの仕事内容の実例とともに、実務経験3年以下ブランク3年以上の看護師が悩みそうな場面を紹介します。
併せて、ブランク看護師だけどやっぱりデイサービスで働いてみたい方のために不安なく働ける方法を紹介しますね。
ぜひ最後までごらんください。
実務経験3年以下ブランク3年以上の看護師にデイサービスをおすすめしない理由は看護師が1人体制だから
ブランク看護師が復職を考えたとき、1番大きな不安は、看護技術・知識を忘れていることですよね。
復職準備として事前に勉強をしても、患者さんや利用者さんは十人十色で、イレギュラーな場面・知らない看護技術に当たり前のように出くわします。
そんなとき、看護師1人体制で看護師間で相談できないことは大きなプレッシャーです。
たしかに、デイサービスでは難しい看護技術はありません。利用者さんが来る日によっては内服管理だけのこともあります。時間もゆったりしていてタイムプレッシャーもありません。
でも、「難しい看護技術はない」というのは、現役で働いている人からの目線かなあと思います。
ブランク看護師がデイサービスへ行ってすぐに、吸引!経管栄養!ストマ交換!
…となった時、とまどいませんか?
しかも経管栄養やストマパウチって、いろいろな形態があって、知らない形態のものだといくら経験したことのある看護技術でも、えっとこれはどうするんだろう?となりがちですよね。
新人看護師のころから、先輩看護師に「わからないことは絶対確認して!」と口酸っぱく言われてきたのに、ブランク看護師が同僚看護師に相談できない環境は、不安だろうなぁと思います。
また、利用者さんが急変したときや体調が悪い時の対応・判断も、看護師1人体制だと自分で対処しなくてはいけないですよね。この場合、経験年数があっても対応にとまどったり、判断に悩んだりします。
実務経験が少ない上にブランク明けの場合は、なおさらプレッシャーがあるんじゃないかなあと思います。
そのため、私なら、実務経験が少ない友人のブランク看護師がデイサービスで働きたい!と言っていたら、おすすめしないなぁと感じるのです。
デイサービスでブランク看護師が不安になりやすい場面
ここでは、どんな場面でブランク看護師が不安になりやすいか、実例とともに紹介します。
- インスリン注射と血糖測定
- 経管栄養(経鼻・胃ろう)
- ストマパウチ交換
- 吸引
- 利用者さんの体調異常
【ブランク看護師が不安かも1】インスリン注射と血糖測定
デイサービスの利用者さんのインスリン注射は、決まったインスリン量を打ちますし、もしものためにブドウ糖を持参している方もいますし、インスリン自己注射を見守るだけの時もあります。
インスリン注射の経験があれば、手技をしっかり思い出せれば悩まないかもしれません。しかし、インスリン注射の経験がない方(実務経験3年以下などの場合)は、とまどうと思います。
私はブランク期間が7年経った頃、復職支援研修を受け、そこで参加者同士で血糖測定の実技練習をしました。
血糖測定やインスリン注射の対象の患者さんが少ない病棟勤務だったため、手技はあまり覚えておらず、手が震えました・・・。復職後の病棟で初めてインスリン注射をするときも、手が震えました。
ただ、数回経験したり、看護手順やテキストなどで手技を振り返ると、あーそうだそうだ、と記憶が蘇りやすい看護技術でもありますね。
デイサービスにおける血糖測定は、利用者さんによって機械の種類がいろいろあって、使い方に戸惑うことが何度かありました。
【ブランク看護師が不安かも2】経管栄養(経鼻・胃ろう)
デイサービスを利用される方で経管栄養の方は、胃ろうがほとんどですかね。
悩みやすいのは、経管栄養方法だと思います。
実務経験が少ない方では、経管栄養の経験がない、という方もいるかもしれません。
① 従来法
液体などの流動食を用い、経腸栄養用輸液ポンプや栄養セットを使用して、投与速度を滴下によって調節するタイプです。
こんなかんじ
↓↓↓
実務経験が3年以上のブランク看護師の場合、この従来法の経験者はたくさんいるのではないでしょうか。
② デバイス加圧法
デイサービスに来られる胃ろうの利用者さんで、使用率ナンバー1だと思います。
加圧バッグや絞り器具を使用して栄養剤バッグに人為的に圧をかけて投与する方法です。
これです
↓↓↓
私はブランク明けに復職した病棟で、初めてデバイス加圧法を知りました。
機械が人為的に圧をかけるので、便利な反面、ちゃんとセットできてるか不安で、初めの頃は何度も何度も、大丈夫かな?と患者さんのもとに見に行ってました。
もし、ブランク明けで1人の看護師体制の中で、初めてみるデバイス加圧法をやらなきゃいけない…となったら不安で泣いちゃいそうです。
【ブランク看護師が不安かも3】ストマパウチ交換
ストマ装具はこれまたいろんな種類があるので、戸惑う1つだと思ってます。実際、私は病棟で働いていますが、未だに初めて見るストマ装具に出会ったりします。
ワンピースタイプ
↓↓↓
ツーピースタイプ
↓↓↓
個人的には、ツーピースタイプがいまだに苦手です。面板と袋をうまくカチっと合わせられない時があって・・・。
デイサービスに来られる利用者さんの面板は、すでにストマに合ったサイズにくり抜かれていることがほとんどで、ハサミでストマサイズに合わせてくり抜く作業はほぼないと思われます。
もし、ブランク明けで1人の看護師体制の中でストマパウチ交換をするとき、初めてみる装具に出会ったら不安でオロオロしちゃいそうです。
【ブランク看護師が不安かも4】吸引
デイサービスにおいてある吸引機は、病棟と違ってポータブル吸引機です。
こんなかんじ
↓↓↓
デイサービスで吸引が必要な時って、気切している方の痰の吸引(気切の利用者さんを受け入れている施設は少ないようです)か、誤嚥したとき、って感じでしょうか。
誤嚥のときの吸引は、目の前で利用者さんが苦しそうにしているので、機械の使い方がわからないと焦ってしまいそう。実務経験が少なくブランク明けで初めての吸引、ともなれば、吸引手技どうやるんだっけ!?といったとまどいも重なり、焦り具合はなおさら大きくなりそう。(※デイサービスでこのような場面に出くわしたことがないので、あくまで個々人的なイメージです!)
【ブランク看護師が不安かも5】利用者さんの体調異常
職場の病棟には、デイサービスで発熱と呼吸状態が悪化(SPO2低下)して、救急搬送されてくる患者さんが時々います。
ただ、このように救急車を呼んで入院になるほどの体調異常は、デイサービスでは滅多にないようです。
急変が起こったときの対応は、ブランク看護師じゃなくても焦ったりとまどったりしますよね。
頻度は高くないからこそ、まれに起こる利用者さんの体調異常が起きたとき、実務経験が少なくてなおかつ看護師1人だとかなり不安になっちゃいそう・・・と思うのです。
実務経験が3年以上ブランク3年以上ならまずデイサービスのバイトを経験してみる
ここでは、実務経験3年以上ブランク3年以上の看護師がデイサービスで働いてみたい!という方のために、働きやすくなる方法を全力で提案しますね。
まずは、デイサービスがどんな場所なのか、様子を見るつもりで看護師単発バイトをしてみるといいです。デイサービスはバイトの求人がたくさん出ています。
そこで、実務経験3年以上ブランク3年以上の看護師がデイサービスのバイトを探すとき、働きやすい環境を選ぶポイントをお伝えします。
- 処置内容が少ない施設を選ぶ
- 利用者さんが少ない日を選ぶ
- 大きいデイサービス施設を選ぶ
【実務経験3年以上ブランク3年以上のブランク看護師が働きやすいデイサービス1】処置内容が少ない施設
デイサービスによって、利用者さんは様々で、看護師が行う処置内容も様々です。
ここでは、私が利用している看護師転職サイト、MCナースとスーパーナースでの検索例を紹介しますね。
\ MCナースでデイサービスバイトを検索する場合 /
① 気になるデイサービスのバイト募集案件をチェックして、問い合わせタグをクリックします。
② その後、バイト募集詳細のメールがきます。そこに表示されている処置内容を確認してください。
\ スーパーナースでデイサービスバイトを検索する場合 /
募集内容の詳細を見ながらバイトの検索ができます。業務補足内容を確認してください。
このように、施設ごとに処置内容がだいぶ違います。
ブランク看護師の自分でも負担にならなそうな看護処置の施設を探してください!
【実務経験3年以上ブランク3年以上のブランク看護師が働きやすいデイサービス2】利用者さんが少ない日
処置内容が少なくて、なおかつやったことのある処置ばかり!記憶を手繰り寄せればブランク看護師でも大丈夫そう!
と思える施設があったら、次に利用者さんの少ない日をねらいましょう!
土曜日は利用者さんの数が平日より少ないことが多いようです。
例えば、私がバイトに行ったデイサービスでは、平日は利用者さんは30人前後いましたが、土曜日は10人前後でした。
ブランク看護師だとVS測定だって久しぶり。最初は戸惑ったりしますし、なるべく少ない利用者さんの日が安心だと思いますよ。
【実務経験3年以上ブランク3年以上のブランク看護師が働きやすいデイサービス3】大きい施設
以前、老人ホームに併設されている大きなデイサービス(利用定員数40人)へバイトに行ったとき、認知症対応の部屋とその他の部屋に分かれていて、看護師がそれぞれ1人担当する勤務体制でした。
利用者数は多いですが、もう一人看護師がいる心強さがありました。
ブランク3年以上ある看護師は、なるべく2人体制のデイサービスだと安心ですよね。
特に実務経験が少ないブランク看護師の場合は、このような大きな施設のデイサービスだと安心かもしれません。
でも、バイトの募集情報に、看護師が何人体制かは滅多に書かれていません。気になるデイサービスバイトがあったら、HPで利用者定員数や看護職員数を調べるといいですね。
デイサービス看護師のお仕事の流れと特徴
ここでは、デイサービスの看護師の1日の流れをと併せて、デイサービスならではのお仕事の特徴も書いています。
デイサービス看護師の仕事の流れ【単発バイトの場合】
実際に私がいくつかのデイサービスの単発バイトへ行った内容を、時間ごとにまとめています。
赤字は看護師だけの仕事、青字は介護士さんと共通の仕事です。
看護師 | 介護士さん | |
9時 | ★施設のユニフォームに着替える ★仕事内容の説明を受ける ★いらした利用者さんのVS測定 | ★利用者さんのお迎え ★いらした利用者さんのご案内 ★利用者さんのお薬預かり |
10時 | ★いらした利用者さんのVS測定 ★入浴可・不可の判断をする。 | ★入浴介助 ★レクリエーション進行 |
11時 | ★入浴後のVS測定・処置 ★適宜、利用者さんの移動介助、排泄介助 ★適宜、レクリエーションに参加 ★経管栄養 | ★入浴介助 ★レクリエーション進行 ★適宜、利用者さんの移動介助、排泄介助 |
12時 | ★配膳 ★血糖測定・インスリン注射見守り ★食事介助、食事見守り | ★配膳 ★食事介助、食事見守り ★交代で休憩 |
13時 | ★利用者さんの内服薬確認と内服実施 ★休憩 | ★内服薬確認 |
14時 | ★適宜、レクリエーションに参加 ★適宜、利用者さんの移動介助、排泄介助 ★利用者さんとおしゃべり | ★レクリエーション進行、運動機能訓練を兼ねてお散歩 ★適宜、利用者さんの移動介助、排泄介助 ★利用者さんとおしゃべり |
15時 | ★VS、申し送り事項を記録する ★適宜、レクリエーションに参加 ★適宜、利用者さんの移動介助、排泄介助 ★利用者さんとおしゃべり | ★レクリエーション進行、運動機能訓練を兼ねてお散歩 ★適宜、利用者さんの移動介助、排泄介助 ★利用者さんとおしゃべり |
16時 | ★利用者さんへの挨拶 ★利用者さんの帰宅準備 | ★帰りの会進行と利用者さんへの挨拶 ★利用者さんの帰宅準備 ★順次利用者さんを送る |
17時 | ★床掃除、トイレ掃除、テーブル拭き、消毒作業 | ★順次利用者さんを送る ★床掃除、トイレ掃除、テーブル拭き、消毒作業 ★次の日の準備など |
18時 | 勤務終了 |
【デイサービスの仕事の特徴1】環境整備をやる
施設内の掃除(床、トイレ、食器洗いなど)をやるよ!
これらは、病院やクリニックで働いていた看護師にとっては、清掃業者の方が行ってくださっていたことなので、はじめはとまどうことがあるかもしれません。
施設のイチ職員として、他職員と協力して施設を管理して働く気持ちが必要です。
【デイサービスの仕事の特徴2】利用者さんはお客様
病院は、患者さんに医療を提供します。デイサービスは、利用者さんに介護サービスを提供します。
デイサービス(通所介護)は、全国で 、なんと24,035事業所(令和元年 10 月1日現在、厚生労働省HP参照 )もあり、数多くある事業所の中から選ばれるサービスとなります。
そのため、入浴やレクリエーションや食事などのサービスを利用するためにお越しになっている「お客様」であることを念頭に置き、丁寧な言葉遣いや対応を心がける必要があります。
デイサービスの看護師に向いている人・向いていない人
ここでは、いくつかのデイサービス看護師単発バイトへ行った私の独断と偏見で、向いている人・向いていない人を紹介しますね。
デイサービス看護師に向いている人
① ブランク看護師でも、臨床でデイサービスに必要な看護技術を経験したことがある人
この記事冒頭で、実務経験3年以下ブランク3年以上の看護師の職場としてデイサービスはおすすめしない、と書いている私です。
ブランクがあっても、デイサービスに必要な看護技術を臨床で経験したことがあって、覚えていたり勉強して思い出せて不安がなければ、問題なく働けますね!
② 高齢者の対応が嫌いじゃない人
③ レクリエーションを一緒に楽しめる人
④ 介護士さんと協力できる人
看護師しかできない仕事内容(看護技術や内服管理や記録)以外は、介護士さんと共通の仕事です。
看護師だからぁ~
看護師だしぃ~
というような感覚だと、いい雰囲気で働けないですね。
デイサービス看護師に向いていない人
① 臨床経験が少ない人
デイサービスで必要な看護技術を経験したことがない人は、働くのは難しいですね。
なぜなら、ほとんどの施設が看護師1人体制なので、教えてもらう機会がないからです。
② 掃除が嫌いな人
利用者さんが帰ったあとは、みんなで施設内の掃除をします(床、トイレ、キッチンなど)。昼食前後では食器洗いをすることもあります。このような作業が苦手な人は向いていないです。
プチ情報!
新しいデイサービス施設は、水回りが綺麗だから、トイレ掃除などの抵抗が少ないよ!
③ ゆったりした時間が苦手な人
何度も時計を見てしまうくらい、言葉は悪いけどヒマな時間があります。このような時間が苦手な人は、向いていません。
④ 高齢者との時間が苦手な人
高齢者の方とのおしゃべりや、一緒にレクリエーションをすることに、楽しさを感じない人は向いていません。
同僚が「レクリエーションが苦手で、デイサービスバイトはいやだ」と話していたことを思い出しました・・。
⑤ コロナ渦特有?感染リスクがある人
病院よりも、感染予防対策が行き届きにくい印象です。
認知度が低下して黙食ができなかったり、マスク着用の理解が得られない人もいます。
そのため、私は本業の職場に迷惑をかけないために、N95マスクを着用してバイトにいくこともあります。
【まとめ】実務経験3年以上あればブランク3年以上の看護師でもデイサービスは働ける
デイサービスの仕事はブランク看護師でも大丈夫って本当?
もし、実務経験が少ないブランク看護師の友達に、デイサービスで働きたい!と相談されたら、私はおすすめしません。
理由は、デイサービスのほとんどが看護師1人体制だからです。
しかし、実務経験3年以上でデイサービスで必要な看護技術を経験したことのあるブランク看護師、かつ技術を思い出せたり不安がなければ、大丈夫です。
ブランクがあるからデイサービスの仕事ができるか不安
難しい看護技術は確かにないですが、そもそもブランク看護師は看護技術や知識を忘れてしまっていることに対して、最も不安を感じていますよね。
- インスリン注射と血糖測定
- 経管栄養(経鼻・胃ろう)
- ストマパウチ交換
- 吸引
- 利用者さんの体調異常
このような場面を想定して事前勉強したり、大きな施設で看護師2人体制という職場を選択すると、不安が軽減されます。
ブランクがあるけど、デイサービスで働いてみたい!
実務経験3年以上ブランク3年以上の看護師で不安はあるけど、やっぱりデイサービスで働いてみたい!
という方は、まずバイトでデイサービスの様子を体験することをおすすめしますよ。ブランク看護師がデイサービスバイトを選ぶポイントは3つあります。
- 処置内容が少ない施設を選ぶ
- 利用者さんが少ない日を選ぶ
- 大きいデイサービス施設を選ぶ
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