ブランクのある潜在看護師はナースセンターの復職支援研修は受けた方がいいの?
ナースセンターの復職支援研修ってどんなことをやるの?
また看護師の仕事をしたい!
長いブランクの間に看護知識を忘れてしまっていることは、復職する不安の大きな原因です。また、復職したいけど自信がなくて復職を悩んでいる方も多いです。
不安や悩みは、言葉にして誰かと共有できると、一歩前進につながることがありますよね。
ナースセンターの復職支援研修では、看護知識の「体験」を通して不安が緩和したり、潜在看護師同士で不安や悩みを話すことで次に進む気持ちを持たせてくれます。
この記事では、7年のブランクがある私がナースセンターの復職支援研修を受講した体験談をもとに、復職支援研修のメリットとデメリットをまとめています。
この記事を読んでいただくと、復職支援研修を受講する迷いがなくなります。ぜひ最後までごらんください。
ナースセンターの復職支援研修を受講するメリット
受講するメリットは4つあります。
- 臨床のリアル体験ができる
- 体験で感覚が思い出される
- 不安や悩みを共有できる
- 自分の能力や復職に必要な知識を再確認できる
【メリット1】臨床のリアルを体験できる
病棟の場合は、使っている医療機器、患者さんとのやりとり、医療機器のアラーム音やナースコール音を、見たり聞いたりできます。場合によっては医療機器に触れることもできます。
施設の場合は、利用者さんとのやりとり、施設看護師の業務の流れを見たり、一緒に行動したりできます。
復職して3年たつ私は復職支援研修の受講者を迎えいれる立場になりましたが、スタッフはいつもより朗らかに対応します。つまり、若干猫をかぶっています( ;∀;)
そのため、スタッフの雰囲気のリアルは、少し差し引いて考えてくださいね!
【メリット2】体験で感覚が思い出される
患者さんや利用者さんとのやりとりを実際に行ったり見たり、医療機器に触れたり見たりすることで、かつて働いていたころの看護師の自分がぶわ~っと思い出されます。
【メリット3】長いブランクの不安や悩みを共有できる
休憩時間、講義の合間、ディスカッションを通して、お互いの不安や悩みを打ちあける機会が持てます。
不安や悩みを言語化して表出することは、不思議と一歩前進するきっかけになるんですよね。
この不思議な効果の理由を、わかりやすい短い漫画で表現されている方がいたので紹介します。
悩みの緩め方と理由 pic.twitter.com/eIlGrqJM6R
— さわぐち けいすけ (@tricolorebicol1) October 29, 2017
【メリット4】自分の能力や復職に必要な知識を再確認できる
リアルな病棟・施設に身を置くことで、自分にできそうなこととできなさそうなことがわかったり、復職前に勉強しておいた方がいいことを知ることができます。
ナースセンターの復職支援研修のデメリット
ブランクの長い潜在看護師にとって無料で受講できるお助け講習ですが、デメリットもあります。
- 開催日が少ない
- 託児付き施設が少ない
【デメリット1】開催日時が少ない
復職支援研修は各地域によって開催頻度の違いはあるようですが、多くても2回/年です。
あなたが復職したいと考えている時期と、復職支援研修の開催時期が合わないこともあります。
【デメリット2】小さい子供がいる場合は託児先に悩む
復職支援研修の時間は、9時半~16時です。
そのため、あなたのお子さんが小さい場合は、預け先を確保する必要があります。
数は少ないですが、託児所付きの研修施設もあります。
私が復職を考えた時、子供は1歳と6歳でした。
復職支援研修施設一覧を眺めているときに「託児所付き」を見つけた時は、「これなら私も研修を受けられる!復職に一歩近づける!」と嬉しく思ったものです。
そのため、なんで託児先付の施設が少ないんだろう?と疑問に思ったものです。
でもよく考えたら、復職支援研修を受けようと思う潜在看護師は長いブランクの方が多く、お子さんは小学生以上の場合が多いのかも、と気づきました。
【実話】ナースセンターの復職支援研修を受講しなかったときのデメリット
同僚のBさんは、手術室看護師を数年経験した後退職し、10年のブランクを経て病棟に復職しました。
その際、再就業支援研修は受講しましたが、復職支援研修を受けなかったとのこと。
Bさんは
「病棟といえば末梢静脈ルート挿入技術でしょ!」
と思い込み、その知識や技術を中心に事前勉強していたそうです。
病棟ではもちろん点滴は必須なのであながち間違っている事前学習ではないですが、病棟看護師は、もっと幅広い看護技術や知識を要しますよね。
Bさんのように病棟経験がない方は、病棟での看護のイメージが偏ってしまいがちかもしれません。
もし、Bさんが復職支援研修で病院体験をしていたら、病棟の雰囲気をつかみ、必要な事前学習について広い視点でみることができたかもしれません。
下記の図のように、離職前の臨床経験とブランクの長さによっては、復職支援研修は受講したほうがいいと考えます。
ナースセンターの復職支援研修を受講した体験談
病棟を5年勤務後、7年のブランクがあった私は、病院体験5日コースを受講しました。
復職支援研修の具体的な体験内容を紹介します。
病院体験5日コースのスケジュール
私が受講したときのスケジュールは下記のような感じでした。
↓↓↓
☆実際に病棟看護師と一緒にやったケアの内容 → シーツ交換、清拭、体位変換、食事介助
☆見学した病棟看護業務内容 → 吸引、末梢静脈ルート確保、レスピ管理、移乗
☆講義内容① → 感染管理、医療安全における場面別のディスカッション
☆講義内容② → 採血、血糖測定、点滴静脈内注射、輸液ポンプ、ガウンテクニックの実技練習
☆まとめでやったこと → 実習に参加した感想や復職の悩みなどを共有
病院体験5日コースを受講中の気持ちの変化
医療機器や患者さんに触れることで懐かしさを覚え、久しぶりの自分のための勉強時間が新鮮でした。
具体的には
- 受講者同士で血糖測定をやるときに、緊張して手が震えたが、やり方を思い出せた
- 輸液ポンプの使い方があいまいな記憶だったが、実際に触れることで鮮明に思い出せた
- 医療安全・感染管理の講義は、そうだったそうだった!と思い出すきっかけになった
- シーツ交換が懐かしく感じて楽しかった
- 患者さんとお話しすることが嬉しかった
- 子供のことを考える余裕もなく、研修に没頭する時間が新鮮だった
病院体験5日コース受講前後で変化した気持ち
受講前までは、病棟に復職したいけど看護知識をほとんど忘れている私は病棟で働けないかもしれない、というネガティブな気持ちでいっぱいでした。
病院体験5日コースを一緒に受講したブランク20年の方とブランク3年の方と、休憩中やディスカッションの時間にお話してみると、ブランクの年数が違えど復職への不安は同じように抱えていることを知ります。
研修先の病棟には長いブランクから復職した看護師もいて、その方に「私も復職は不安だったけど今こうして働けている」という声掛けをしてくださり、実際に働いている姿を見たことで、なんだか勇気が湧いてきました。
私一人が不安に思っていないんだ
不安でも復職へ向けてがんばろうとしている人もいるんだ
復職したらどうにかなるんだ
という、ポジティブな思考に変化していったのです。
病院体験5日コースを受講してイマイチだったこと
病棟での体験は実質2日でした。
せっかくの体験研修なので、もう少し病棟内でやってみたかった・・という気持ちが残りました。
もしもっと実際の臨床を体験したいと思う方は、病院体験7日コースもありますのでそちらを選ぶといいのかな、と思います。
しかし、病院体験コースの目的は、忘れた実技の再取得や未経験の技術の取得ではなく、あくまで「体験して思い出す」ことが主なので、その目的は十分に果たされていたなあと感じています。
復職支援研修を受講した方の声
再就職も夢ではないと思えました。ブランクが15年と長く、もう一度看護をしたいと思いながらも自信がありませんでした。研修で最新の医療情勢や看護技術を演習できて少し自信が出てきました。昼休みには受講生どうしで話をして心強く感じました。再就職も夢ではないと思えた研修でした
「東京都ナースプラザ受講者の声」より
保育室を利用して研修を受けました
「東京都ナースプラザ受講者の声」より
自宅の近くに研修施設があり、保育室もあったので研修を受けることが出来ました。
ママさんナースが子育てと仕事を両立しているのを見て復職を前向きに考えたいと思いました。
ナースセンターの復職支援研修を受講する方法
各都道府県のナースセンターに問い合わせてもいいですが、今は手軽にネット上で都道府県のナースセンターが行っている復職支援研修を検索できます。
研修を受講するには登録が必要なので、まずeナースセンターに登録しましょう!!
次に、あなたが住んでいる地域のナースセンターの研修支援施設一覧から、施設・研修日を選択しましょう!
その後の流れは
- 各研修施設へ直接申し込む (電話もしくはメール)。
- 研修施設から送付された復職支援研修申込書を記入し返送する。
- 研修施設から受講決定通知が届く
- 研修受講
こんな感じになります。
【まとめ】臨床経験が少なくブランクが長い潜在看護師は復職支援研修をうけることをおすすめします!
ブランクのある潜在看護師はナースセンターの復職支援研修は受けた方がいいの?
臨床経験が少なくブランクが長い潜在看護師は、ぜひとも復職支援研修を受けることをおススメします。
- 臨床のリアル体験ができる
- 体験で感覚が思い出される
- 不安や悩みを共有できる
- 自分の能力や復職に必要な知識を再確認できる
- 開催日が少ない
- 託児付き施設が少ない
あなたが復職したい!と思った時期と、復職支援研修の開催日が合わないことがあるかもしれません。そのため、復職準備はゆとりをもってできるといいですね!
ナースセンターの復職支援研修ってどんなことをやるの?
復職支援研修 |
病院体験コース 施設体験コース 学校に戻って体験コース *お住まいの地域によっては行っていないこともあります。 |
5日コース 7日コース 1回~2回/年 いずれも9時半~16時まで 託児付きの施設あり |
☆実際に病棟看護師と一緒にやったケアの内容 → シーツ交換、清拭、体位変換、食事介助
☆見学した病棟看護業務内容 → 吸引、末梢静脈ルート確保、レスピ管理、移乗
☆講義内容① → 感染管理、医療安全における場面別のディスカッション
☆講義内容② → 採血、血糖測定、点滴静脈内注射、輸液ポンプ、ガウンテクニックの実技練習
☆まとめでやったこと → 実習に参加した感想や復職の悩みなどを共有
復職支援研修は、上記図のように3つの要素が合わさることで、復職に対する気持ちが前向きになりやすいです。
そのため、もしあなたが、復職したいけど復職なんて怖い、と躊躇しているなら、ぜひ受講してほしい研修です。
このサイトでは、「看護師のセカンドステージをワクワクさせる」をコンセプトに、復職に悩む潜在看護師のための体験談&ライフスタイル情報をまとめています。
最後まで読んでいただたきありがとうございました。
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