働き損の年収になるとなにがいけないの?
パート看護師で働き損の年収で働いている人はいるの?
なぜ働き損の年収でパート看護師をしているの?
働き損の年収にならないようにパート看護師をやりたい!
パート看護師として働こうと思った時、扶養外と扶養内、どちらで働くか迷う方は多いです。扶養外でパートをする場合は、働き損年収を避けましょう!とよく聞きますよね。
しかし、私は働き損年収真っ最中です!
以前は扶養外で年収約200万でしたが、子供関係の理由で勤務時間を減らし、年収は約160万に減ってしまいました。
この記事では、私の年収変化をもとに働き損の具体例を説明します。併せて働き損の年収になってしまったにもかかわらずストレスから解放された心の変化や、場合によっては悪ではない理由についてまとめました。
「パート看護師のお得な働き方」という情報はたくさんあります。
でも、お金の損得だけではない視点で、パート看護師をしている人もいるんだよ~ということを知っていただけたら嬉しいです。
【パート看護師問題】働き損の年収になるとなにがいけないの?
ここでは、実際に私の年収例をみながら、働き損はどんなふうに損なのかまとめています。
- 社会保険未加入と社会保険加入では、ひと月の手取りや将来もらえる年金額に差がでる
- 手取り回復分岐点以下だと、年収が低い人のほうが手取りが多くなる
- 看護師特有?条件によっては年収130万の壁をこえても勤務先の社会保険加入ができない
【働き損といわれる理由1】社会保険未加入 VS 社会保険加入
2022年10月に社会保険加入範囲が拡大され、パートの方は社会保険に加入しやすくなりました。
年収106万円以上、そして下記条件5つをすべて満たす場合、勤務先の社会保険に入ります。
私は現在、年収約160万ですが、諸事情で週20時間以上の勤務をコンスタントに継続できず、社会保険に入れません。そのため、国民年金と国民健康保険に加入しています。
そんな私の例をもとに、ひと月の給与約130000円の場合、勤務先の社会保険加入と未加入の手取り変化を図にしました。
※社会保険料は、健保協会の 令和4年度の標準報酬月額保険料額表 を参考にしたもので、実際の額と異なることがあります。※私は40代なので、介護保険料が含む値を参考にしています。
この図を見ると一目瞭然。私は働き損ですね・・・
ひと月の手取りが、勤務先の社会保険料を納めている人より少ないだけでなく、厚生年金に入っていないので将来もらえる年金額も少ないです。
【働き損といわれる理由2】手取り回復分岐年収以下
社会保険料、もしくは国民年金・国民健康保険料を支払うことにより、自分より年収が低く社会保険料等を払っていない人の方が手取りが多くなるという逆転現象が起きることがあります。
それを回避するのが、手取り回復分岐年収です。
103万の壁・・・扶養内で所得税が非課税でいられるライン
106万の壁・・・社会保険適用条件に当てはまると社会保険の被保険者になるライン
130万の壁・・・社会保険の被保険者になるライン
勤務先の社会保険に加入した場合、年収106万を超えたら125万、年収130万を超えたら153万、がそれぞれ手取り回復分岐年収です。
年収130万以上で、私のように社会保険に加入できず、国民年金・国民健康保険に加入している場合は、手取り回復分岐点は171万円です。高っ!( ;∀;)
この手取り回復年収以下だと、社会保険料などを引かれた金額と、働いた分の対価が釣り合わなくなっちゃうんですね。
【損といわれる理由3】看護師特有?年収130万を超えやすい
看護師の時給は他職種より高めです。私が住んでいる地域の平均時給は1600円〜2000円です。
かりに1800円の時給でパート看護師をすると考えて、ひと月の仕事量を比較しますね。
扶養外の手取り回復分岐点に1万足した年収 | ひと月の勤務時間 | 週の勤務時間 | 社会保険料 |
126万 | 58時間 | 15時間 | 130万以下なので扶養内 |
154万 | 71時間 | 18.5時間 | 国民年金・国民健康保険に加入 |
171万 | 79時間 | 19.7時間 | 国民年金・国民健康保険に加入 |
173万 | 80時間 | 20時間 | 勤務先の社会保険加入 |
この表を見ると、年収173万以下は週の勤務時間がすべて20時間以下になります。
年収106万円以上で下記条件を満たせば勤務先の社会保険に入れるのに、勤務時間量が足りない状況になりやすいです。
年収130万以上のパートが社会保険に加入できるもう1つの条件に、フルタイムの正社員の月の労働日数と1日の労働時間が4分の3以上、があります。
この条件は、私の勤務先例をあげると、1日8.5時間勤務(1時間の休憩含む)の場合週4日です。
つまり週34時間働けばいいのですが、この時間働くのって、保育園や認定こども園の預かりをがっつり利用しないとできないですよね。
そのため、私もほかのパートの同僚達も、勤務先の社会保険に入れず、国民年金・国民健康保険に加入していた人が多かったです。
年収130万を超えるパート看護師が損をしない働き方
ここまでのことをまとめると、年収130万を超えるパートナースが損をしない働き方は3パターンあります。
【パターン1】下記条件を満たす働き方
【パターン2】年収171万以上得る働き方
【パターン3】フルタイムの正社員の、月の労働日数と1日の労働時間のうち4分の3以上の働き方
働き損を回避するために、あなたはどのパターンの働き方ができそうですか?
働き損の年収は悪ではないと思う理由3つ
次に、個人的には働き損の年収で働いてもいいかなぁと思う理由3つを紹介します。
- 家族全体の生活リズムを慣らす期間になる
- 仕事にやりがいを感じる
- 働き損年収期間が期限付き
もちろんお金は大切だし、働いた対価として損はよくないし、なるべくなら働き損年収を避けることは大前提ですが、あくまで一定の条件下での意見です。
【理由1】家族全体の生活リズムを慣らしていける
私は7年のブランクから復職するとき、扶養内の雇用形態から始めました。
少ない勤務時間・日数でしたが、それでも家事・育児・仕事を回すのにてんてこ舞いになっていたんです。
そんなてんてこ舞いの生活を、家族全員で少しづつ慣らしていく途中段階なら、働き損の年収でも悪ではないのかなぁと思います。
こんなかんじ
↓↓↓
扶養外で働き損年収を超えた働き方へ向けて、子供を預ける時間を少しづつ伸ばしていったり、夫に手伝ってもらう家事を少しずつ増やしていったり、少しづつ耐性をつけていけたことは、今振り返ってるみても良い選択だったなあと思うことです。
【理由2】仕事にやりがいを感じる
働き損年収に減ったとき、扶養内に戻ろうか悩みました。
扶養内に戻ると、年収も勤務時間も大きく減ります。
病棟で、同僚や患者さんとあれこれ話したいな~
患者さんが元気になる姿を見たいな~
だから仕事時間をこれ以上減らしたくないなぁ。
という気持ちが強かったんですよね・・・。
やりがいが勝るなら働き損も悪ではないのかなあと思います。
【理由3】期限が決まっている
働き損年収の期間が短いスパンと決まっていて、他にメリット(先述した理由)があるなら悪ではないのかなぁと思います。
私の場合は、働き損年収期間は下の子が小学生になるまでの約2年が辛抱期間です。
働き損年収のパートママ看護師が解放された4つのストレス
働き損年収でも、精神的ストレスや肉体的ストレスがなくなった・減ったことは、親子ともにメリットでした。
ここでは、病棟看護師の私の心の変化を、状況別のストレスと共にお話しします。
- 子供の涙
- 残業
- パート収入減少
- 体の疲労
【ストレス1】子供の涙
息子が1歳のころから院内託児所に預け、3歳からは幼稚園の預かり保育と院内託児所を併用して、パート看護師をしています。
しかし、徐々に院内託児所に行くことを嫌がり、さらには幼稚園の預かり保育も嫌がり、泣くことが増えました。
ある日、とうとう私の心がポキッと折れました。
クビ覚悟で、上司に勤務時間の相談をし、いろいろ話し合った末、勤務時間を短縮してもらいました。
院内託児所を利用することがなくなり、「もう△△(託児所の名前)に行かないんでしょ!?」と安心する息子の表情が忘れられません。
幼稚園の預かり保育時間を最小限にしたことで、活き活きとした表情になった息子の顔をみるとホッとします。
私にとっては、子供が「行きたくない」と泣いて訴える中、説得して我慢させて託児して働きにいくことは心が痛むことでした。
この精神的ストレスが減ったことは、親子に穏やかな日々をもたらしました。
【ストレス2】残業
働き損年収を上回る収入の頃は、患者さんを受け持っていました。
記録が終わらないことは多々あり、お昼休憩を返上したり、お迎え時間ギリギリまで残業する日々です。
でも、短時間勤務は自分で選んだ働き方なので、残業や昼休み返上はしょうがないと割り切って勤務していました。
しかし、お迎えに間に合わない!でも仕事も終わらない!というプレッシャーは相当なものです。
勤務時間を減らしたことで、患者を受け持つことがなくなり、今までのような残業が激減し、プレッシャーから解放されました。
この精神的ストレスが減ったことは、仕事中の表情に穏やかさをもたらしてくれました。
【ストレス3】パート収入が減る
勤務時間を減らしたため、当然パート収入が減りました。
日々の生活はできても、未来への貯金がままならない。そんな状態は、不安が膨らみます。
日々の生活はできても、娯楽が減ったりできなくなってしまう。そんな状態は、つまらない。
そこで、夫に協力してもらい、夫に子供を任せられる日は看護師単発バイトをすることにしました。
夫とのスケジュール調整は直近じゃないとできないため、バイトを選択しています。
看護師単発バイトをいざ始めてみると、多少収入を補えることがわかり、本業の看護師パート収入が減る精神的ストレスが和らぎました。
同時に、病棟以外の場所で働くことは新鮮で、看護の視野が広がったことが思わぬメリットです。
看護師単発バイトは、MCナースネットとスーパーナースの2つを利用し、求人を探して働いています。
【ストレス4】体の疲労
体が楽になった理由でいちばん大きいのは、帰宅後の時間の流れです。
働き損年収を上回る収入を得ていたころは、子供の送迎や家事・育児に追われて、毎日目まぐるしかったです。(フルタイムの方に比べれば全然楽なんですけども・・・)
私は40代ですので、年齢的な体力低下もあるのかなあと思います。
寝かしつけまで、ゆっくりする時間は皆無という肉体的ストレスがなくなったことは、私の心にゆとりをもたらしました。
【まとめ】働き損の年収は状況によってはそんなに悪でもない
働き損の年収になるとなにがいけないの?
- 社会保険未加入と社会保険加入では、ひと月の手取りや将来もらえる年金額に差がでる
- 手取り回復分岐点以下だと、年収が低い人のほうが手取りが多くなる
- 看護師特有?条件によっては年収130万の壁をこえても勤務先の社会保険加入ができない
パート看護師で働き損の年収で働いている人はいるの?
働き損の年収を避けた方がいいのは大前提ですが、個人的には3つの理由にあてはまれば、働き損年収で働いてもいいのでは?と考えています。
- 家族全体の生活リズムを慣らす期間になる
- 仕事にやりがいを感じる
- 働き損年収期間が期限付き
なぜ働き損の年収でパート看護師をしているの?
働き損年収でも、精神的ストレスや肉体的ストレスがなくなった・減ったことが、自分にはメリットでした。
自分の環境と照らし合わせて総合的に良いなら、働き損の年収であっても悪くないなあと感じています。
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