看護師に復職するけど、どんなことを勉強しておけばいいかな?
子供が小さいから手軽に勉強できる方法ってないかな?
看護の勉強をして復職する勇気をもちたい!
ブランク看護師が復職を考えた時の1番大きな不安は、看護知識・技術を忘れてしまっていることです。
だから事前に勉強をしましょう!とよく言われます。でも、看護知識は幅広く、何から手をつけていいのか悩みますよね。
さらに子育て中の場合は、なかなか勉強時間がとれないことも悩みのひとつです。
私は臨床経験5年後、7年のブランクを経て病棟に復職しました。
その時のしくじり経験をもとに、復職前に勉強しておくといい必要最低限のポイントとおすすめのテキスト、看護技術が体験できる研修と、自宅で勉強できる手軽なWebセミナーを紹介します。
復職したいなぁと考えている潜在看護師のあなたの、じゃあ何から勉強を始めれば?どうやって勉強すれば?という不安を解決しますので、ぜひ最後までご覧ください。
復職前の勉強ポイントがわかればオロオロしない!まずは3つ
事前勉強でまずやったほうがいいものは次の3つです。基本すぎるけど、絶対役にたつのはこの3つなのです。
- バイタルサイン測定
- フィジカルアセスメント
- BLS
バイタルサインの復習
は?バイタルサイン測定?そんなのできるけど?
という声が聞こえてきそうです。
そうなんです、バイタルサイン測定行為はすぐできます。
でも、測定結果の正常異常、そして異常がある場合のアセスメントって意外と忘れていませんか?
私の場合、病棟で5年働いてそこそこ勉強もした方でしたが、7年のブランクの間におどろくほど看護知識を忘れていて、全然アセスメントにつなげられず復職後苦労しました。
血圧、脈拍、呼吸、体温、意識レベルの5つのバイタルサインどれも大切ですが、とくに呼吸は体調の異変を一番最初に表すと言われていますので、復習しておくと臨床ですごく役に立ちます。
復職してから3学会合同呼吸療法認定士を取得したくらい、呼吸の大切さを身に染みています。
フィジカルアセスメントの復習
問診、視診、聴診、打診、触診といった行為や知識、そこからケアにつなげるアセスメントって、ブランクの間に忘れていませんか?
復職してしばらくは、初めてみる病態があったり、慣れない職場で慌ててしまったり、「わからないことがいっぱい!!」という状況です。
そんな中、フィジカルアセスメントは、どんな看護分野でも絶対必要で役に立つものです。
しかし、フィジカルアセスメントに関するテキストはたくさん販売されていて、何を選べばいいか迷うところ。
そこで、読みやすくて「なるほど!」と理解しやすい、山内豊明先生のこちらのテキストをおすすめします。
この「フィジカルアセスメントガイドブック」は、観察方法をわかりやすい言葉と図で教えてくれます。
フィジカルで得る情報と、目に見えない身体の中の情報をつなげてイメージしやすく解説してくれているので、理解しやすい1冊です。
臨床経験のある方は、読みながら、自分の体に手を当てたり、聴診器を胸やお腹に当てたりして、「そうそう、こうやるんだった」と思い出す作業ができます。
同時に、昔の臨床経験のときに感じていた小さな「なぜ?」に対して、「そうだったんだ~」という新たな知識を得ることができます。
臨床経験のあるブランク看護師は、復職後しばらくすれば看護の勘が必ず戻ります。
勘が戻る時間を加速させるには、事前にフィジカルアセスメントについて復習しておき、実際に患者や利用者さんに行って、もう一度テキストを見返すことをおすすめします。
この「アセスメントガイドブック」は、復職前の勉強だけでなく、入職してからも役に立つことがポイントです。
BLS受講で復職後の不安を減らす
看護師の職場は、命と隣り合わせだったり、そういう場でなくても何か体の異変が起きたときに頼りにされがちな立場が多いです。
その中でも、心肺停止時の対応って、やっぱり怖いもの。
BLSを受講することで、昔の記憶がよみがえるけでなく、いざという時の対応が「できそう」と少し思えることで、復職の不安が軽減します。
私自身、復職して5年目にしてようやく、10数年ぶりに、BLS再受講したんですよね・・・。
子育て中で、受講するための時間がなかなか確保できなかった、というのもありますけど。
受講して改めて、「もっと早くBLS受けとけばよかったーーー!」と思いました。復職してからの何度かの急変時の対応は、受講していればもっとスムーズにできたのではないか?と後悔しています。
復職前に看護技術を見る・やるができれば不安は大きく減る
看護技術を、体感に訴えかければ、奥底にしみこんでいた看護の勘がポコッと芽を出すはずです。
看護協会で行っている潜在看護師を対象にした復職支援研修では、同じような環境の人が集まります。そのため、不安に思っているのは自分だけではないんだ、と心強さが湧きます。
看護技術を見て「そうだった!」を引き出す
採血や静脈ルート確保といった、侵襲的な看護技術はとくに強い不安を持つ方が多いです。
また、復職先に看護技術が少ない施設を選んだとしても、侵襲度が低い血糖測定や経管栄養や吸引などの看護技術が必要なことが多いです。
今は手軽にネットで看護技術を検索できますが、大切なのはその情報の信頼性を見極めることですよね。(それを言うなら、このサイトの信頼性も・・・・?)
その点、書籍の場合は信頼性が高いため安心感があります。
下記のテキストは、看護技術の種類は多くはありませんが、どの看護分野でも必要であろう技術は網羅されています。
復職先に病棟や訪問看護を考えている方は、下記のように看護技術が多く掲載されているテキストもおすすめです。
いずれも、カラー写真や図を多く掲載していますので、ブランク看護師にとっては、過去の記憶が鮮明によみがえりやすくなっています。
家族の腕を借りて、このテキストを見ながら静脈ルート確保のイメージをしてみるのもいいですよね!
復職前の事前勉強だけでなく、復職後の「あれ?どうやるんだっけ!?」という疑問や焦りに対して、さっと調べられるお助けアイテムになるのが良い点です。
両本とも、決して安くはありません。
しかし、復職前に見ることで不安が減り、復職後の「わからなくて怖い」という焦りも大きく減らしてくれますので、持っていて損はないなものです。
看護技術を体験して看護の感覚をよみがえらせる
看護技術の多くは、自身が直接人へ行うものや、機械を介して人へ行うものなので、自分の技術で人になんらかの影響を与えてしまうかも、という責任が伴います。
そのため、ブランクが10年前後にもなると、離職前の看護技術の記憶を手繰り寄せて、「うん大丈夫だな、できる」と思える方は、多くはないですよね。
そんな方は、看護技術を体験することで、手技の感覚がよみがえり不安が大きく軽減します。
看護協会のナースセンターでは、潜在看護師向けに、無料で受講できる復職支援研修を随時開催しています。
内容は、採血・静脈内注射、感染管理、酸素療法、糖尿病治療薬の基本、という実技&座学研修と、病院体験、施設体験、学校に戻って体験、という体験型研修です。
座学の研修はほかにあっても、病院や施設の中で実際に体験できる研修は、ナースセンターだけです。
私は病棟体験コースを受講して次の体験をやりました。
- 受講者同士で血糖測定
- 職員と一緒に患者の体位変換やシーツ交換
- 吸引や酸素療法の見学
- ガウンテクニックと、採血・静脈内注射、輸液ポンプはデモを使って練習
他に、座学で、感染管理や安全管理の講義や、受講者同士のディスカッションを受けました。
看護技術は、デモですが、手の動かし方や力加減がよみがえります。
実際に患者に触れることで、懐かしい感覚がよみがえります。
さらに病棟の雰囲気を肌で感じられ、かつて働いていたときの大変さや楽しさや緊張感といった看護の感覚がよみがえります。
日本看護協会のeナースセンターのHPから、全国のナースセンターで行われている研修を確認できます。どれも無料で受講できるので、是非参加してみてください。
≫≫ eナースセンター
【復職前の勉強時間のお悩み】寝かしつけ後にやる?隙間時間にやる?2タイプ紹介
育児中の潜在看護師ママが復職を考えた時、事前勉強時間がなかなかとれなくて「やっぱ復職はむりかも」とあきらめていませんか?
ここでは、子供をねかしつけたあとに自宅で視聴しながら勉強できる「診療の補助の強化書」と、隙間時間に勉強できる北海道看護協会が提供しているeラーニングを紹介します。
子供をねかしつけたあと受講できる「診療の補助の強化書」
「学生時代には習わなかった、でも臨床では使う!」そんな知識を提供している「出直し看護塾」の中の教材の1つで、病態の変化をアセスメントできる看護師を目指す目的で作られたものが、この「診療の補助の強化書」です。
出直し看護は多くのYouTube動画も配信しているので、ご存じの方は多いかもしれません。
詳細はこちら ≫≫診療の補助の強化書
隙間時間に勉強できる北海道看護協会のeラーニングって何?【道民限定】
とどけるんに登録した北海道在住の潜在看護師が受講できる、北海道看護協会が主催している復職支援講習です。
残念ながら、他の地域のナースセンターでeラーニングをやっているところはありません。いいなぁ北海道!
講義の内容は広範囲です。
看護技術、臨床での日々のケア、看護場面、高齢者・認知症に特化したもの、他職種連携など、ここで全部書ききれないくらい!
各15分~45分の講座を、3カ月の間に、無料で視聴できます。
2023年は53講座あるので、全部観るなら週3~4回、約30分の隙間時間をねらって視聴する、という感じですね。でも、観たいものだけ!という選択も可です。
講師は、看護師(部長クラスが多い)、検査技師、大学の教授など様々です。
北九州ファーストエイドのWebセミナー講師と比べると、北海道看護協会のeラーニングの講師は「ザ・先生!」という感じでしょうか。
異色なのは、看護・医療について漫画やイラストを描かれている「看護師のかげさん」のミニ動画もあり、面白そう!
北海道看護協会のeラーニングの体験談を知りたい
多くの看護場面を網羅した北海道看護協会のeラーニングですが、受講した方の評判はどうなんだろう?
と疑問に思い調べました。
しかし、道民限定のためか?情報がない・・・。
そこで、潜在看護師復職応援ブログHuku-Nurseを運営されている、ジャムさんという方の記事を紹介します。
ブランク看護師の復職前勉強が効率的にできる考え方
あなたの復職先は、離職前と同じ科や看護分野ですか?
私は違う科を選びました。私のように違う看護分野を選んだ場合は、わからないことが多くて復職の不安に輪をかけますよね(-_-;)
7年のブランクがあった私は、復職前の事前勉強であれもこれも手を出し、結果として的外れな勉強をしていました。
ここでは、あなたの復職前勉強が、私のように入職後無駄にならない考え方をお伝えします。
面接のときに入職後必要な看護技術や看護知識を聞いておく
離職前は循環器病棟で働いていた私ですが、ブランク明けに選んだ職場は消化器外科内科病院です。
面接時に私が聞いたことは
消化器系の勉強をしておけばいいですか?
このフワッとした質問はNGでした。
面接をしてくれた看護部長は「そうね」の一言。
入職が決まり、早速消化器系の看護テキストを買いました。
しかし!
復職先の病院で行われる手術や入院患者さんの疾患で何が多いのか、という情報が全くない状態で消化器系のテキストを眺めても、めちゃくちゃ範囲が広いので、漠然としすぎて頭に入らない、そしてやる気が衰退、という残念な事態となりました。
そのため、面接時には、できる限り具体的な事前情報をえられる質問をしてください。
事前に勉強しておいた方がいい看護技術はなんですか?
どんな患者さん(または利用者さん)が多いですか?
入職してわかる必要な看護技術や看護知識がある
あなたの復職前の勉強時間や、事前勉強のために買ったテキストの代金を無駄にしないために、面接時に聞いた「必要な看護知識」以上のことは、やらなくていいと思います。
私の場合、消化器外科内科病院に入職してみると、腹部内視鏡検査、肺炎、高齢者の骨折、心不全の入院がダントツに多い、というギャップがありました。
私は入職後、新たに看護テキストを買い直しましたし・・・
入職してからわかる、必要な看護技術や看護知識があります。
看護技術に関しては、先述したテキストが手元にあると、入職後必要なときにさっと見ることができるので安心感があります。
新人看護師の頃とちがって同僚に教えてもらえる
復職後、自信がない・知らない看護技術や病態に出くわしたら・・・。
そんな状況を考えると怖くて不安で、事前勉強をあれこれやろうとしてませんか?そして時間が足りなくて焦ってしまう負のスパイラルが誕生です。
しかし、復職先に複数の看護師がいる環境ならば、同僚が助けてくれます。
新人看護師のころは、「調べてきてないの?」とキツ目の口調で怒られることも多々でしたが、ブランク明けの看護師にそのようなことを言う人を見たことがありません。(※私の職場の場合)
同僚たちの多くは、「ブランク看護師は基本はわかっている」という認識です。これって、ある意味とてもプレッシャーですが、ひとまずその場で看護技術の見学や見守りをしてもらいながら記憶を呼び起こして、家に帰って復習すればOKです。
【まとめ】看護師の復職前勉強は基本の振り返りと看護技術を思い出す作業をやるのがおすすめ
看護師に復職するけど、どんなことを勉強しておけばいいかな?
- バイタルサイン測定
- フィジカルアセスメント
- 看護技術の体験
- BLS受講
この4つを復職前にやっておくと、臨床でとても役に立ちます。
バイタルサインでもとくに呼吸は大切です。
復職前から役に立ち、復職後も活用できるおすすめテキスト3つを紹介します。
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病院や施設で臨床体験ができるのはナースセンターの研修だけ!eナースセンター であなたのお住まいの研修内容を探してみてください!
子供が小さいから手軽に勉強できる方法ってないかな?
子供をねかしつけたあとに自宅で勉強できる「診療の補助の強化書」があります。
他に隙間時間に勉強できる方法は、道民限定ですが北海道看護協会が提供しているeラーニングです。
いつか復職したい。でも今じゃない。
そんな方でも、突然その「いつか」が訪れます。
ちらっと復職がよぎったら、その「いつか」に慌てないために、少しづつ看護の勘を取り戻してみるのはいかがでしょうか。
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このサイトでは、「40代ブランクナースのセカンドステージをワクワクさせる」 をコンセプトに、ブランクからの復職に悩む潜在看護師のための体験談&ライフスタイル情報をまとめています。
あなたの復職の不安を共有したり、解決できるような記事を書いていますので、ぜひほかの記事ものぞいてみてくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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