病棟経験が少なくブランクが長い潜在看護師のあなたが、もう一度病棟で看護の基礎を身につけようかしら、と考えた時の、押しよせる不安といったらないですよね。
ほぼ新人看護師並みで40代の自分を雇ってくれる病院はあるのだろうか?20代のころと違って体力や記憶力も低下しているしやっていけるだろうか?
かといって、そのまま先延ばしにすれば年齢を重ねるだけ・・・。
私の同僚は、病棟経験2年ブランク20年の40代半ばから病棟看護師に復職しました。
ここでは、そんな同僚の復職体験談として、復職前の思い、事前にやったこと、復職後の様子を紹介します。Aさんの経験を通して、より良い復職準備についても提案します。
復職して2年経った同僚は、少し看護知識に自信がついて違う看護分野で働いてみたい気持ちが湧いています。
きっとあなたも、復職して看護知識を再度身につけたら、自分のやりたい看護へ一歩踏み出せるはず。
そんな未来へむけて、ぜひ最後までごらんください。
ブランク20年で病棟へ復職を決めた理由
ここで紹介する話は、私の職場で一緒に働くAさんの体験談です。
Aさんは、病棟で2年働いた後、結婚を機に退職し、20年のブランクを経て病棟へ復職しました。
20年のブランクの間どんなことをして過ごしていたの?
Aさんは結婚を機に退職し、すぐ妊娠されて双子を出産します。
双子の育児は壮絶な日々で、子供が中学生になるまでは復職について全く考えませんでした。
子供たちが中学生に上がると、それぞれ部活動にいそしみ、家にいない時間が増え、生活面でもだいぶ自立し、Aさん自身の体もだいぶ楽になってきました。
そのため、ちらっと復職が頭によぎる瞬間が生まれます。
しかし、その時点でブランク10年越えのため「看護知識は全然覚えていないし、看護師になんてもどれない」という思いが強く、復職への勇気が全くもてないまま、月日が流れていくのでした。
20年のブランクから病棟に復職しようと思ったきっかけ
きっかけは、お子さんの就職でした。
双子のお子さんたちは、それぞれ希望する会社へ就職が決まり、社会人として一歩踏み出します。
新生活にむけてキラキラした表情をしている子供たちの姿を見ていると、Aさんの復職に対する思いが変化していきます。
私も、もう一度看護師としてがんばってみよう。不安は山のようにあるけれど、子供たちと一緒に挑戦してみよう。
そんな気持ちで、復職への一歩を進み始めます。
病棟経験2年ブランク20年の潜在看護師がやった復職前の準備
看護知識はほぼない状態の40代半ばのAさんは、病棟でもう一度勉強し直そうと決めました。
ここでは、Aさんが病棟に復職するためにやったことを紹介します。
併せて、復職して3年経つ私が今思う、復職前にやっておけばよかったことを追加でお伝えます。
ナースセンターに登録して研修に参加した
各地域のナースセンターでは、復職者を対象にした研修が無料で開催されています。
Aさんは、まずeナースセンターに登録し、再就業支援研修と復職支援研修を受けました。
復職支援研修は、病院や施設の中で実際に体験をさせてもらいながら学ぶ研修ですが、2回/年の開催と少ないです。
当初、Aさんが復職しようと思い描いていた時期と、復職支援研修のタイミングが合わず、受講せずに復職しようか迷いました。
しかし復職の不安が強く、復職時期を延ばして復職支援研修を受講したそうです。
再就業支援研修も復職支援研修も、ブランク看護師にとって心強い研修内容を無料で受講できるため、大変ありがたいのですが、開催日時が少ないことがネックです。
Aさんのように、希望する復職のタイミングと合わないことがあるかもしれません。
そのため、復職したいな~と頭によぎってから復職するまで、ゆとりをもって準備できるといいですね。
eナースセンターの求人情報を穴があくほど見た
eナースセンターでは、ネット上で求人情報をみることができます。
Aさんが希望する職場の第1条件は「ブランクOK」でした。
時間があるときは、新人看護師並みの40代の自分が働けそうな職場はあるかな?と、求人情報を穴があくほど見ていたとのこと。
その中で、「復職者へのサポートあり」をうたう病院をみつけ、Aさんに復職の心強さをもたらし、面接を受けてみよう!と一歩踏み出せたそうです。
Aさんは穴があくほど求人情報を見ていたとのことですが、求人情報をしっかり見る時間が取れない方は、転職サイトを活用して、求人探しの時間を節約することをおすすめします。
採血や点滴静脈内注射技術を重点的に勉強した
Aさんは、病棟といえば採血や点滴静脈内注射の技術が絶対必要!
と思い込み、再就業支援研修の講義や看護技術動画で、その2つの手技を重点的に勉強しました。
疾患に関しては、復職先が決まってから、必要な検査と病態をテキストを使って勉強しました。
Aさんの事前勉強について、復職して3年経つ私から「こうしたほうがよかったかも」という点があります。
それは、事前勉強は1つのことをがっつりやらなくていい、ということです!
イメージだけで何度繰り返しても上達はしないです。十人十色の病態やその場の空気感に触れることで、どんどん看護技術や看護の勘が身についていきます。
やってなんぼ、です。
そのため、あまり肩の力を入れすぎず、復職後に働きながら学ぶ心構えでいいのかな、と思っています。
病棟経験2年ブランク20年で病棟に復職した後の様子
最後に、病棟勤務が始まったAさんの様子を紹介します。
Aさんの勤務形態は、日勤のみの正社員です。
病棟業務が覚えられない
私の職場の場合、復職してすぐは患者を受け持つことはなくて、フリー業務をしながら病棟の流れを覚えていきます。
しかしです。
Aさん吸引セットとってきてくれる?
えっと、吸引セットはどこにありますか?
Aさん、この採血急ぎだから検体検査室まで持って行ってくれる?
えっと、検体検査室はどこですか?
このように、物品の場所も、病院内の配置も、わからないことがたくさんある日々です。
都度、Aさんはメモをしまくっていていました。
でも、メモを取ったはいいけど、後々見返すと見にくいことが多々あります。
せっかく覚えたくてメモしたものを、分類ごとにまとめたり、不要なものを削除できたら、次に確認したいときにさっと見返せてとても効率的ですよね。
ルーズリーフタイプは便利だけどサイズが大きくてポケットに入らない。でも普通のメモ帳は順番に書くしかできないため分類ごとに分けられない。
そんなお悩みがあるかたには、リヒトラブのA6サイズのノートをおススメします。
\ おススメの理由 /
- ノートの差し替えが可能です。
- A6サイズなので、白衣のポケットにギリギリ入るサイズです。
- 知りたいメモを探す時間が短くなり、仕事がはかどります。
- メモが見返しやすいので、記憶の定着効果があります。
- リフィルとセットで500円以内とお手頃価格です。
患者を受け持ちはじめたら全然仕事がまわらない
徐々に、受け持ち患者数が増えていき、Aさんは病棟の中を右往左往します。
仕事が終わらず残業をすることも多かったです。記録では抜けがたくさんあり、後日修正をすることも多かったです。
\ 仕事がまわらない理由 /
- 知らない看護技術がたくさんあって、都度確認が必要だった。
- 簡単だと思っていたバイタル測定も、意外と手間取った。
- フィジカルアセスメントでは観察の抜けが多くて、何度も患者のもとに戻ることがあった。
- 病棟内の定時でやることと、看護業務の調整ができなかった。
いつも右往左往して大変でした・・・
長いブランクから復職した場合は、優先順位がわからなかったり、いろんな確認作業が必要だったり、時間がかかってしまいます。
7年のブランクで復職した私もそうでした・・・。
私の場合は、さらにおっちょこちょいなので、抜けがないように自分なりに工夫することに全力をあげていました。その結果、業務が抜けにくく回りやすいワークシートを自分で作成して仕事をしています。
バイタル測定やフィジカルアセスメントは、手技的には簡単ですが、数値や観察したことをアセスメントすることは、復職してすぐは難しいですよね。
日々の看護の、「あれ?なんだっけ?」を解決するお助けテキストが手元にあると、看護の勘が戻ってきやすくなったり、仕事がまわる速度が加速します。
\ 看護の基本フィジカルアセスメント /
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出直し看護塾は、私は今もお世話になっています!
がんばりすぎて体調を崩してしまう
復職して半年が経過したころ、体調を崩して数日間仕事をお休みしました。
もともとの体質による背景もありますが、がんばりやのAさんは、慣れない環境のもと緊張感や責任感で疲れが出てしまったのではないかなあと思いました。
後々聞くと、Aさんは家に帰ってからも勉強をしたり、早く出勤して下調べをしたりしていたようです。
長いブランク明けの復職では、早く勘を取り戻したい!早く仕事で動けるようになりたい!という思いから、あれこれがんばろうとする方は多いのではないでしょうか?
私もそうでした・・・。
ただ私の勤務形態は、短時間で少ない勤務日数のパートだったため、患者を受け持つことはほとんどなかった上に、仕事前後の時間にゆとりがあったので、切羽つまることなく過ごせていたのかも・・・と思います。
そのため、長いブランク明けの復職では、慣らし期間があると、心身に負担が少ないのではないか?と感じています。
家庭と仕事の両立のための慣らし期間、看護の勘を少しづつ取り戻す慣らし期間、です。
そのために、少ない勤務時間のパートから始めてみるのもいいのかな、と思います。
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