末梢静脈ルート確保を失敗してばかり
末梢静脈ルートを確保したいけど、いい血管が見つけられない
末梢静脈ルート確保が下手だから、仕事が憂鬱になっちゃう。自信を持てるようになりたい!
末梢静脈ルートの確保が下手で、悩んだ(悩んでる)看護師は、私だけではないはず。
私は、末梢静脈ルート確保がなかなかうまくできなくて、落ち込むことが多かったのですが、最近になってようやく末梢静脈ルート確保の成功率が上がってきました。
この記事では、末梢静脈ルート確保が下手な私の行動を、上手な人のコツと照らし合わせ、分析しています。臨床でありがちな困った血管5つの対処方法を実践してみた効果や、血管走行、神経走行、血管内の留置針の様子を具体的にイメージできるようにまとめました。
末梢静脈ルート確保が上手くなりたい私が目指すのは、
「血管が見える!見えるぞ」(ラピュタのムスカ風に)
この記事を読んでいただくと、末梢静脈ルート確保がうまくできない原因に気づき、明日から早速末梢静脈ルート確保をやってみたくなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
末梢静脈ルート確保が下手な要因
末梢静脈ルート確保の失敗は数知れず・・・(患者さんごめんなさい)
ここでは、下手な自分の行動と、末梢静脈ルート確保を成功させるコツを照らし合わせ、下手な要因を分析します。末梢静脈ルート確保がうまくできない方は、私と同じような行動をしているかもしれませんよ~!
では、一緒に行動を振り返ってみましょう!
【下手要因1】左手の固定がよくない
【 私のNG行動 】
刺入しようとする血管の下方を、一生懸命押さえて固定していました
NGな理由は2つです。
- 刺入しようとする血管を押さえることで、血管の血流量が少なくなってしまう
- 硬い血管などは、左右にズレることがある
斜め下2方向に皮膚を引っ張って固定する
図で見るとこんなかんじです。
親指と反対側の指で、矢印方向に引っ張ります。
成功しやすい理由は、斜め下に引くと、上下・左右どちらにも血管が動きにくくなるからです。
【下手要因2】固定している手を早く離しちゃう
【 私のNG行動 】
右手だけで外筒をすすめられなくて、逆血が来たら、固定している左手を放してその手で外筒をすすめていました。
NGな理由は、固定していた手を離すことによって、それまで引っ張っていた血管が中枢側へ動いて針が抜けてしまうからです。
逆血が来たらできるだけ針を寝かせてさらに2~3mmほど針を進める。
利き手の第2指だけで外筒を進める
成功しやすい理由は、2~3mmほど針を進めることで、左手の固定を外した時に中枢側へ動く血管から針が抜けにくくなるからです。
【下手要因3】駆血帯を強く巻きすぎる
【 私のNG行動 】
駆血帯を巻いても血管が見えなくて、さらに強めに巻いちゃうことがありました。
NGな理由は、駆血帯を強くまくことで、動脈まで圧迫してしまい、血液還流量が減ってしまうからです。
橈骨動脈が触れるくらいの強さで巻き、血管が見えない時はもう一度巻きなおす
成功しやすい理由は、一度駆血帯を外すと末梢に一気に血液が流れるので、それを再度駆血帯で静脈を圧迫すると、静脈が怒張するからです。
イメージ的には、追い込み漁みたいな感じですかね?
【下手要因4】留置針の構造理解不足
【 私のNG行動 】
逆血がきたら、すぐに外筒をすすめていました
NGな理由は、内筒と外筒の長さが違うからです。
スーパーキャスを例にしますね。
まず構造の写真をみてください。
内筒よりも外筒が1〜2mmほど短くなっています。
針を刺したときの断面図はこんな感じです。
逆血きたっ♪
と思った時は、内筒が血管に入ってはいるけど、外筒は血管の外にいる状態が高いことです。
そのため、逆血がきたら針を寝かせて2~3ミリ進めることが、必要なんですね!
【下手要因5】焦ってすぐ刺入しちゃう
【 私のNG行動 】
タイムプレッシャーや患者さんからの圧などで焦ってしまい、よく血管を探さずに、見える細い血管に刺入して、失敗していました。
焦らず血管をじっくり探す
この後、血管走行の図を紹介しますね!。
血管の場所をイメージできるようになると、血管探しに焦らなくても、目星がつけられるかも!
【下手要因6】気持ちがすでに弱気
【 私のNG行動 】
ルート確保の失敗が続いた後は、患者さんのところへ行く前に「どうせ今日も失敗しちゃうかも・・・」と弱気になっていました。
「入る」と強い気持ちをもって挑む
このような言葉は、よく言われませんか?
でも、強い気持ちってどうしたら持てるの?とも思ったので、強い気持ちの持ち方について記事にしています。併せて読んでみてください。
こまった血管の対処方法
末梢静脈ルート確保が上手な方が教えてくれる、こまった血管に対するコツを参考にして、下手な私が実際にやってみた感想・効果を書きますね。
細い血管しかない
どこを探しても細い血管で、留置針の刺入が難しい~(泣)
こんなときは、失敗もしたし、諦めて同僚に変わってもらうことも多かったです。
- 駆血した後に末梢から中枢へと血液を送るようにマッサージする、もしくは駆血帯を巻きなおす
- 軽く引っ張って固定する
- 皮膚と平行くらいのイメージで、浅い角度で穿刺する
- 内筒に逆血がきたら、血管を少し持ち上げるような感じでゆっくり針を進める
1.の理由
- 中枢に向かってマッサージをすることにより、静脈弁の作用で血液がうっ滞し、血管が怒張するため
- 一度駆血帯を外すと末梢に一気に血液が流れるので、それを再度駆血帯で静脈を圧迫すると、静脈が怒張するため
2.の理由
皮膚を強く引っ張ると細い血管はつぶれるから。
3.の理由
細い血管はもともと血流量が少なく、内腔が細いため角度をつけて穿刺すると血管を貫通してしまうから。
4.の理由
細い血管はもともと血流量が少なく内腔が細いので、静脈の表層側の壁を持ち上げることで内腔を確保できるから。
1.のマッサージや駆血帯の巻きなおしは、すごく効果があって、細い血管が少し太く見えます。
4.の、内腔を持ち上げるイメージで針を進める手技は、私にはなかなかうまくできないです。
難しい!
こりこり動く硬い血管or弾力ありすぎ血管しかない
血管がバッチリ出ていて「取りやすそう!」と余裕な気持ちでルート確保をしようとしたら、ガーンまさかの失敗!というパターンになることも多々ありました。
- 血管の分岐部分をねらう
- 左手の固定をY字に引く
- 30度~45度くらいの角度で刺入し、逆血があったら血管後壁を貫かないようにすぐに針を寝かせて数mm進める
1.の理由
血管が左右に逃げにくいから
2.の理由
血管が左右・上下に逃げるのを防げるから
3.の理由
高齢者のような硬い血管の場合は、浅い角度で挿入すると血管壁が針をはじいてしまうことがある。若い方に多い弾力が富んでいる血管も、同じように針が滑ってしまうことがある。
硬い血管に、いつもより角度をつけて刺入したら、スッと入りました!コツがつかめた感じがします。この感触を忘れないようにしよう!
浮腫で血管みえない
血管を目視できないし、皮膚を触っても血管の弾力を感じることができないし、私は本当に浮腫の方の末梢静脈ルート確保が苦手です。
- 尺側皮静脈が見えることがある
- わずかに見える血管の延長上など血管走行をイメージする
- 2でイメージした部分を圧迫する
3.の理由
細胞外液が移動して血管が見えるから
先日、浮腫が強くて血管が見えにくい患者さんの末梢ルート確保をしました。
ポイントを参考に、血管がありそうなところを指で少し圧迫してみたら・・・・
血管が見えました!!!
思わず、おぉ~っ!と声を出してしまいましたよ。
しかし、せっかく血管が見えて穿刺して逆血を確認しましたが、滴下確認をすると刺入部がぷく~っと腫れてしまいました。
浮腫の方は血管が細くてもろいことが多いので、細い血管の対処方法も併せてやらないと難しいですね・・・。
もろくてすぐ漏れちゃう血管
たまーに、血管に入るんだけどすぐ漏れちゃう・・・ということ、ありますよね。
逆血があれば、駆血帯を外して針先を進めてみる
理由は
駆血帯を巻いている時は、血管は怒張して風船のように膨らんだ状態になっています。血管がもろいと、針先が少しでも血管壁に触れると破けてしまうイメージだから
この手技は、私には難しいです。
駆血帯を外すには固定している手を放すので、その瞬間血管が動いてしまって。
どうしたらできるんだろう・・・?
コツがつかめたらまた報告しますね!
そもそも血管見えない
腕を、くまなく見ても、くまなく触っても、血管ないなーっていう時は、同僚に「ごめん、私無理・・・」とお願いしたことが、何度もあります。(同僚、いつもありがとう)
- 上肢を心臓より低い位置にする(少しギャッチアップ、ベッドの端から腕を下すなど)
- 親指を中にして握る
- 駆血帯を巻きなおす
- 末梢から中枢へなでるようにマッサージする
- 血管走行のグラフィック画をイメージする
1.の理由
腕の静脈血流をよりうっ滞させることができる
2.の理由
前腕の筋肉が収縮し、末梢からの静脈還流量が増加して血管が怒張しやすくなるから
3.4は、困った血管の対処法の基本ですね。
5.の、血管走行をイメージするのは、繰り返し走行図をみたり、書いたりすることで覚えられそうです。
次の章では、血管や神経の走行などをグラフィック化したもの(といっても、私のつたない画力ですけども)を紹介します。
血管走行、神経走行をイメージする【かっこよく言っちゃうとグラフィック化】
大まかな血管走行と神経走行をイメージできると、血管探しの理解が深まりますね!
実際に自分で図を書いてみて、しみじみ実感しています。
血管走行 | 神経走行 | 血管走行と神経走行を合わせてみた |
まとめ
末梢静脈ルート確保を失敗してばかり
- 固定する手は、皮膚を左右の斜め下に引くイメージ
- 外筒は利き手で押し込み、固定する手を早く離さない
- 駆血帯は橈骨棒脈が触れる程度の強さで巻く
- 留置針の構造理解不足
- 血管をじっくり探す
- 弱気にならない
臨床でこまりやすい血管の、末梢静脈ルート確保のコツをまとめます。
- 駆血した後に末梢から中枢へと血液を送るようにマッサージする、もしくは駆血帯を巻きなおす
- 軽く引っ張って固定する。
- 皮膚と平行くらいのイメージで、浅い角度で穿刺する。
- 内筒に逆血がきたら、血管を少し持ち上げるような感じでゆっくり針を進める
- 血管の分岐部分をねらう
- 左手の固定をY字に引く
- 30度~45度くらいの角度で刺入し、逆血があったら血管後壁を貫かないようにすぐに針を寝かせて数mm進める
- 尺側皮静脈が見えることがある
- わずかに見える血管の延長上など血管走行をイメージする
- 2でイメージした部分を圧迫する
逆血があれば、駆血帯を外して針先を進めてみる
末梢静脈ルートを確保したいけど、いい血管が見つけられない
血管走行を頭にイメージできると、血管をみつけやすくなるようです。
この記事を書くにあたり、自分で血管走行の図を書いてみました。そうすると、結構頭に残りやすくていいですね!
時間があったら、自分で実際に書いてみることをオススメします~!
末梢静脈ルート確保に自信がついたら、クリニックの単発バイトにいくのが夢です!
このサイトでは、「看護師のセカンドステージをワクワクさせる」をコンセプトに、復職に悩む潜在看護師のための体験談&ライフスタイル情報をまとめています。
ぜひほかの記事もごらんください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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