肺を聴診するとき、どの場所に聴診器を当てたらいいんだっけ?
肺雑音の区別がわからないんだけど、どう違うの?
呼吸音や肺雑音の異常を理解してアセスメントできるようになりたい!
日頃のフィジカルアセスメントで、聴診で、呼吸音の種類の識別が苦手な方は多いと思います。
そんな私もあまり得意ではなく、なんかグーグー聞こえるな、ヒューヒュー聞こえるな、という表現をしていた底辺ナースです。
ある日、呼吸観察の大切さを3学会合同呼吸療法認定士の同僚に教えてもらい、ハッとしました。そして改心した私は、急変を起こさない看護ができるようになりたくて、日々のバイタル測定やフィジカルアセスメントの基本から復習しています。
この記事では、呼吸の聴診をする場所と、呼吸音の種類についてまとめています。
前回の記事 →→ 呼吸について~呼吸数編~
勉強の参考にしたものは「エキスパートナース2022年2月号」と「病気がみえるvol4 呼吸器」です。
読んでいただくと、呼吸の聴診をイメージできて、明日からのバイタル測定やフィジカルアセスメントで呼吸状態を注意深く観察したくなる内容です。
ぜひ最後までご覧ください。
呼吸を聴診する場所をイメージする
聴診器を当てた場所から聴こえてくる音が、いったいどこの部分なのかをイメージできると、どんな看護が必要か理解しやすいと思い、イメージ図をつくりました。
肺区域の場所
肺の聴診結果を記録する際に、肺のどの場所でどんな異常があったのかを書きます。
その時につかう肺の位置を示すものが、肺区域です。
左右それぞれS1~S10まであります。
体表から肺の位置を目印にできるものは、前胸部の場合、第4肋骨と、第6肋骨です。
背面の場合はTh2(胸椎の上から2番目)と腋窩を結んだ線です。
頭を下に下げた時に、背中に見える1番大きい出っ張りが第7頚椎棘突起(C7)で、そこから2個下のでっぱりがTh2だよ!
自分で頭を下げて触ってみてね!
気管・気管支・肺胞の音の場所
正常な呼吸音には3種類あります。
- 気管呼吸音
- 気管支呼吸音
- 肺胞呼吸音
この3つの音が聞こえる場所を色わけした絵です。
背面は、肺胞呼吸音しか聞こえないことがわかりますね!
正常で聞こえる呼吸音の種類
気管~肺胞において、呼吸の音の強弱、呼吸の長さの変化があります。
あなたがいつも聴診している音は、どの呼吸音ですか?
気管呼吸音?気管支呼吸音?肺胞呼吸音?
私は、肺胞呼吸音の呼気がほとんど聞こえないことが正常だと知らずに、「呼吸音減弱」って記録したことがあります・・・。
異常で聞こえる副雑音の種類
ラ音というのは、副雑音のうち、肺内でおこる異常音のことを指すんだって。
副雑音で肺以外の音というのは、胸膜摩擦音などがあります。
連続性ラ音
基本的には、狭窄した気道部分に気流速度の上昇が起き、気道壁が振動して音が発生していると考えられています。
【 連続性ラ音が聞こえる呼吸のタイミングの図 】
↓↓↓
いびき音(ロンカイ)
一般的に、音の表現はグーグーです。一番よく聞こえやすい副雑音だと思います。
いびき音(ロンカイ)がきこえる原因は、COPD、気管支拡張症、分泌物や炎症や腫瘍による太い気道の狭窄などです。
肺炎で入院して痰が多い患者さんにも、よく聴取されますね。
笛音(ウィーズ)
一般的に、音の表現はヒューヒューです。
ポイントは、呼気の最後に聞こえるってこと。患者さんの呼吸を最後までしっかり聞いておくことが必要ですね。
笛音(ウィーズ)がきこえる原因は、気管支喘息などです。
スクォーク
笛音(ウィーズ)との違いは、さらに高音で、吸気の最後に聞こえることです。
スクォークがきこえる原因は、間質性肺炎などがあります。
断続性ラ音
【 断続性ラ音が聞こえる呼吸のタイミングの図 】
↓↓↓
捻髪音(ファインクラックル)
一般的に、音の表現はパチパチ、バチバチですね。
ポイントは、吸気の最後に聞こえるってことです。
捻髪音(ファインクラックル)がきこえる原因は、間質性肺炎(背部でよく聴取される)などがあります。
水泡音(コースクラックル)
一般的に、音の表現はパチパチですね。
ポイントは、吸気の最初から聞こえることです。
水泡音(コースクラックル)がきこえる原因は、肺炎、うっ血性心不全などがあります。
捻髪音(ファインクラックル)と水泡音(コースクラックル)の違いは、吸気の時の聞こえ方、と覚えておこう!
副雑音以外の異常
減弱・消失
胸水貯留部分は呼吸音が減弱します。気胸は肺胞呼吸音が減弱します。
呼気延長
COPDなどの閉塞性換気障害でみられる。目安は呼気6秒以上。
原因は、気道閉塞によって息が吐きにくいからです。
肺胞部分の気管支呼吸音化
もう一度この図をみてください。
正常の呼吸音は、肺胞部分では呼気がかすかにしかきこえません。でも、肺胞部分で気管呼吸音のようなはっきりとした呼吸音が聞こえることを、気管支呼吸音化といいます。
原因は
- 肺炎のような水っぽい肺になっている
- 重度の肺線維症や腫瘍などで肺胞部分が固くなっている
このどちらかにより、気管支呼吸音が下まで伝わっていることが考えられます。
呼吸について②~聴診編~のまとめ
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明日からの聴診で、呼吸音や副雑音を気にしながらお仕事ができたら嬉しいです。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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